みはるの絵本箱

5歳と4歳の兄弟に読み聞かせしてきた中から、面白かった絵本を紹介します。

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【絵本】ルネくんと地底の冒険に出かけよう「ロボットのくにSOS」

スターウォーズを見てるんですが、これから紹介する絵本が、本質的なところですごく似てるんでびっくりしました。別にフォースでヴォーンと戦ったり、ベイダー卿がしゅこー言ってるとかじゃ全然ないんですけどね。

でも、知らない世界に赴き、困難に立ち向かい、得難き友を得る、という冒険譚のセオリーが見事に一致。

ロボットのくにSOS 作:たむらしげる

最近たむらしげるさんの絵本を紹介したので、しばらくはいいと思ってたんですが、先日読んだこの本が我が家で大ヒット。

ちょっと変わった体裁の絵本ですが、ストーリーが秀逸なんです。

コマ割りで始まる冒険活劇

さて、先に紹介した通り、幼児向けの絵本でありながら、コマ割りで話が進むという変わった形。最初はちょっと戸惑いつつも、一応コマを指さしながら読み聞かせしてみました。

主人公はルネくん。以前紹介した「サンタと不思議なながれ星」にも出てくる少年です。名前がいいですね。上品でかしこそう。

ルネくんの おもちゃのロボットが うごかなくなってしまいました。

ルネくんのお父さんが分解して修理を試みるけれど、やっぱり動かないロボット。

そうだ。フープはかせにたのんでごらん。

そしてルネくんが向かったフープ博士のおうちはとても変わった形をしています。

フープはかせは この へんな いえに すんでいる ちょっとかわった かがくしゃです。

さあ、このフープ博士もルネくんのお父さんと同じようにロボットの修理に取り組むのですが、そうこうしているうちに変わったお客さんがやってきます。

こ、こんに ちは ガシャン

ドアを開けるなり倒れこんだのは、旧式のゼンマイロボット。彼は地下深くにあるロボットのくにからやってきました。

そのロボットのくにで、大地震により発電機が壊れてしまい、すべてのロボットが動かなくなってしまったというのです。

唯一動くことができた旧式のゼンマイロボットの彼が、フープ博士に発電機の修理を依頼にやってきたのでした。

博士はさっそくロボットのくにに出発。好奇心いっぱいのルネくんも同行をを申し出 、黒猫のネプチューンといっしょに博士の自家用機に乗り込みます。

ここからロボットのくにに行きつくまでが冒険です。
危なく火山の火口に落ちそうになったり、真っ暗な地底に降りていき、地底湖で不思議な光るヒトデを見つけたり、巨大なキノコの森で迷子になって、謎の生き物に遭遇したり。

そしてルネくんと博士とゼンマイロボットは、長い道のりの末にやっとロボットのくにに到着します。

発電機の故障により、すべての動きを止めてしまったロボットのくに。

この国をよみがえらせるためには、大きな決断が必要でした…。

それが何だったのかは、読んでからのお楽しみです。私は何の気構えもなく読んだので、最後の数ページの展開にはっとしました。

旧式ロボットとの旅

ルネくんたちをロボットのくにへと道案内してくれるのは、ゼンマイで動く旧式のロボット。

ゼンマイがゆるむと歩みが遅くなり、目のライトをつけるとねじがすぐにゆるんでしまう始末。

ロボットのなかまにもいわれます。おんぼろロボットってね。

彼はそう語ります。 でもそう言いながら彼はけして卑屈ではなく、最後までとても紳士的で誠実。読み終わった後には彼のことが大好きになりました。

古くてポンコツだけど、だからこそ動けてロボットのくにの危機を伝えることができたんです。けして派手ではないけれど、静かな愛情に満ち満ちたロボットでした。

ハラハラドキドキの冒険をして、最後には切なくもあたたかい気持ちにさせてくれるSF絵本です。最後の1コマまで見逃せませんよ!



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