みはるの絵本箱

5歳と4歳の兄弟に読み聞かせしてきた中から、面白かった絵本を紹介します。

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【絵本】そしてハッピーエンドへ「からすのてんぷらやさん」

どうも!みはるです〜。

明日はいよいよ終業式。そして1ヶ月に及ぶ冬休みに突入です。
強制的に5歳と4歳の男子の暇つぶしに追われる日々が始まる…。

私は去年まで西日本に住んでいて、今年になって地元の東北に戻ってきたんですが、冬休みがこんなに長いとは…。丸丸1ヶ月ですよ、1ヶ月!

実家が県内なので、長期の規制をする必要はないし、とりあえず短期の体操スクールに通わせることは決定してるけど…あとは、あとはどうしよう…。

そんなわけで、クリスマスプレゼントの一つにはトランポリンを用意したのですが、どの程度持つかなあ…。
↓これですこれ。


紹介したい絵本もまだたくさんあるけど、ブログも少し手薄になりそうです。

からすのてんぷらやさん

さて、かこさとしさんの絵本と言えば、以前、「どろぼうがっこう」を紹介しましたが、

miharuehon.hatenablog.jp

今日はからすのおみせのシリーズから。

この間借りてきた本の中では、結局いちばんリピートして読んだのはこれでした。

いずみがもりの かえでどおりは、
からすのまちの なかでも、
とても にぎやかなところで、
いろんな みせが ならんでいました。
その かえでどおりの
てんぷらやさんが
かじになったのです。

いきなり悲惨です。

からすのキュウベエさんが営むてんぷらやさんでしたが、店舗は全焼、おかみさんは行方不明、後継ぎの一人息子イワくんは目に傷を負い、店の再建は絶望的な状況です。
店主のキュウベエさんは「よよ、よよ、よよ」と泣き崩れるばかり。

そこに差し入れに来たレモンさんとオモチくん。この二人は、いずみがもりのパン屋さんの4人兄弟のうち、3番目と4番目の子供です。

しずかにしていた レモンさんと オモチくんが、
おもいきって いいました。
「ねえ、おじさん。わたしで よかったら
あげものの つくりかた おしえてくれませんか。」
「ぼくにも てんぷら つくらせてください。
おねがいします。」

なんて殊勝な2人!!
赤の他人の家業を学んで継ごうっていうんですから!

「ほーら ほら、げんきな むすめさんと
わかもんが ぜひにと おねがいしてるんだ。
あした、あたらしいみせを つくりに
なかまを つれてくるから、
なあ たいしょう、がんばろうや。」

すかさず励ますのはイワくんのともだちのジロくん。
このジロくん、江戸前のきっぷのいい口調で、読みがいがあるのでわたしのお気にいりです。巻き舌を入れてべらんめえ風に読むと、うちの子供たちはすごく喜びます。

そのおかげで、気を取り直したキュウベエさん、レモンさんたちに天ぷら揚げの秘伝の授業を始めて…。

さあ、てんぷらやさんは無事再建なるか!レモンさんオモチくんは無事店主のお眼鏡にかなうのか!

あとは読んでのお楽しみでございます。

歌で盛り上げる大団円

このお話、レモンさんたちの父さん母さんがいずみがもりに店を出す、「からすのパンやさん」に始まり、長男のチョコくんが「からすのおかしやさん」でお嫁さんをもらい、長女のリンゴちゃんが嫁ぐ「からすのやおやさん」に続くわけですから、読む側としては(特に大人は)、だいたい落ちが予想ついているわけです。

つまり今度は、レモンさんの嫁入り譚なのよね、と。

ただ、今回のお話は、だいぶ悲惨な状況から始まっているために、後半、大団円に向けてものすごい加速度がつきます。

なんと最後には大宴会が2度も催されるという。(この宴会もお約束)

ただ、そこまでが、長い。

うちは寝る前に読み聞かせをするんですが、4歳次男は最初の3回は途中で寝てしまって、宴会までたどり着けませんでした。

てんぷらの授業が…丁寧で…。子どもは目が覚めてさえいれば興味津々なんですけどね。「作ってみたいなあ」とまで言ってましたが、それはまだ早い!

ただ、その難関をくぐりぬけてたどり着く宴会の場面は相当盛り上がり、それぞれ「てんぷらいっしゅうかん」「てんぷらフライのうた」の二つの歌が歌われます。うちの兄弟はこの歌が大好きでした。

絵本に歌が出てくると、みなさんどうしてますか?

私は、適当なメロディでいいから、とにかく恥ずかしがらずになんとか歌ってみることをオススメします!へんてこでもいいんです。むしろその方が子どもの印象に強く残るし、このお話では、お祝いのムードもいやおうなく盛り上がるってもんです。

あとがきにありましたが、このお話は作者かこさとしさんの戦災や震災で、たくさんの人に助けられた経験から作られたそうです。

どんなに絶望的な状況でも、人と人の助け合いで、また立ち上がることができる。そんな力強いテーマを持った絵本でもあります。