【絵本】じーっと待つから面白い「タンタンのぼうし」
こんにちは、みはるです。
こないだスーパーに行ったときの話です。
レジで会計を済ませて、袋に買ったものを詰めていたとき、隣の人を見てびっくりしました。
同じく袋詰めをしていた彼女の前にはトレイの山。 なんと、買った肉をその場でトレイから出していたのです!
取り出した肉は、包装されていたラップでくるんでマイバッグへ。残ったトレイは、そのまま店頭に設置の回収ボックスへ。
すごい発想の転換!!
トレイがなくてもラップで十分持ち帰れるんだから、その場で外してしまえばうちでトレイがたまるってこともないと…。
私はちょっと真似できないけど、その発想と実行力には感嘆しました。
こんなふうに、当たり前だと思っている流れに変化があると、はっと目が奪われるものですが、はい、今日もそんな強引な流れでの絵本紹介です。
タンタンのぼうし
こちらの絵本は、だいぶ前にうちの子たちが気に入って読んでいたタンタンシリーズの中の一つです。
いわむらかずおさんといえば、14ひきのねずみシリーズが定番で私も大好きなのですが、こちらの絵本はお話も絵もシンプルでわかりやすいので、2歳くらいから楽しめると思います。いないいないばあがわかる子だったらもうちょっと早いのかな。
タンタンの だいすきな この ぼうし。
とても とても ゆかいな ぼうし。
こんなふうに始まる絵本です。
見開きの左側に文章、右側に絵が描かれているので、ページをめくるごとにお話が進んでいきます。紙芝居にも似たこのスタイルは、読み聞かせにぴったりです。
さて、このぼうし、何がゆかいなのかというと、タンタンが投げてひろいあげると、中に何かが入っているからです。低く投げるとバッタ。もう少し高く投げるといが栗、もっと高く投げると鳥。
帽子に捕まえられて、プンプン怒っている鳥にクスッと笑いながら、次は何が入っているんだろう、と子供たちの期待は高まります。
そして、もっともっと高く、やあっと帽子を投げたタンタン。帽子の中には何が入って戻ってくるのか。
タンタンも、読む方も、楽しみにページをめくるのですが…これが、なかなか戻ってこない。
暗くなっても戻ってこない。
眠くなっても戻ってこない。
なかなかの焦らしです。そしてうちの子たちは暗くなっても待ち続けるタンタンがおかしくて笑っていました。
そのあとやっと落ちてくる帽子。 その中には何が入っていたのでしょうか…。
それは読んでのお楽しみ。
起承転結のストーリー
このお話は見事に起承転結の形を取っています。
起・・・帽子を紹介するタンタン。
承・・・帽子をどんどん高く投げるタンタン。そのたびに違うものが入っている帽子。
転・・・投げた帽子が帰ってこない。
結・・・戻ってきた帽子の中には…。
前半の流れがわかりやすいからこそ、転での状況の変化に引き込まれます。
これぞ物語。
そしておさるのタンタンの造形がまたかわいらしいんですよね。ふっくらしたフォルムは、そのまま幼児の愛らしさと親しみやすさにつながります。
帽子を投げるのも、本当にやったら怒られるかもしれないことだけど、それが面白い結果を引き出す。 この子供のいたずら心の延長線上にあるストーリーも、子供を惹きつけるポイントかもしれません。
ちょっぴり悪い主人公の方が、話が面白かったりしますよね。この辺についてはまた日を改めて語りたいです。
では本日はこれにて!
【タンタンシリーズはこちら】